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一般社団法人アジア・インスティチュート

一般社団法人アジア・インスティチュートについて

一般社団法人アジア・インスティチュート(略称:アジア・インスティチュート)は、アジアで見受けられる世界レベルの問題を扱う初めての汎アジア的シンクタンクである。2007年から東京、ソウル、ワシントンDC,バンコクに事務所を置き、アジアの観点から全世界における関心事を包括し、適切な解釈と解決方法を示すことに専念する。科学技術、外交・安全保障、経済と環境の問題を歴史と文化の背景において客観的に討論をする場を提供する。

4つの課題に焦点を当てます

  • 東アジアと全地球に新しい国際関係の秩序に対する正確な理解

イタリアの哲学者グラムシーが言ったように、「古い秩序が崩壊したが、新しい秩序はまだ成立していない。この時代はモンスターの時代である」。グローバル化により物理的距離が大きな障害とならず、地球の多種多様な存在が未だかつてない連携の下、活動している。その新たなる国際社会においてはインターネット、外交、言論、貿易、そして移民の分野で従来の国家単位を超えている。新しい国際秩序を客観的に分析して、改善を提案する。

  • 気候変動と環境問題の影響

急速に進む気候変動、環境の破壊、海洋の汚染、生物多様性の衰退は人類を脅かすところまで進んでいるが、それに応じて問題の原因を捉え、社会、経済、技術、そして文化との関わりを検証する。

  • 技術の発展と社会の変化

日進月歩で発展する技術が我々の社会と考え方にいかなる影響を及ばしているのか、そしてその技術の発展の背景にいかなる構造があり、社会、経済、主体性などにいかなる影響を、目に見えないものも含め、与えているのかを解明する。

  • 反知性主義の克服

人間は社会的な存在であるが、それがゆえに起こる摩擦を知の獲得によって乗り越えようとしてきた。しかし、昨今は歴史的・客観的な事実を無視して、ナルシシズム的な思考様式をもって自分の願望を通して世の中を見るような反知性主義的な傾向が強まり、個人と政策決定過程にも影響を及ばしている。メディアとインターネットを通じて愚民文化が拡大されて行き、大衆に迎合する感情的なポピュリズムが政治の主流となって、長期的な戦略を持ちえないところで、国民の政治参加が不可能になっている。

反知性主義の顕著な例として【科学との戦争】がある。これは気候変動など科学的に証明された事実を、為政者が否定する動きであり、科学者の役割を軽視しているとして注目を浴びている。アジア・インスティチュートでは、研究者と市民との間の真摯な対話を通して反知性主義を克服し、教育・研究といった知的活動の本来の意義を再確認すべく努力を続けている。

アジア・インスティチュートの使命

上記の4つの課題は、複雑に絡み合っており、現在の国際政治、経済、外交・安全保障を理解しようとするならば、これらの関連性を立体的に検証すべきである。

昨今アジアは知的、技術的、財政的な諸側面において、世界のハブとなりつつあるが、物流、エネルギー、文化的、知的な連携が遅れ、加えて 文化的、知的な連携も進展していない。このような変化に対し、アジアでは、 真の議論が十分になされていないという現実がある。

国境を越えて全ての利害当事者が参加した上で、アジアの流れについて分析し、討論を交わすことが切実に必要とされている。

技術が我々の社会に及ぼす影響、また、環境、青少年及び女性の問題、教育、コミュニケーション、そしてビジネスが国際関係にもたらす影響に焦点を当てる。アジアの未来のために、これらの問題に対し、慎重な分析と議論が行われるべきである。

産・官・学に大きく貢献してきたリーダーたちと知見を交わし、解決策を講究するための中立的な場を提供する一方で、アジアのあらゆる事柄について積極的に関与していく。

日本、韓国、中国、東南アジア、南アジア、中央アジア、中東、その他の国家間における協力及び論議が円滑に行われるための新たな機会を模索する。それと同時に、アジア全体をまとめ、地域内において有意義な協力関係が保たれるように貢献する。

生態学的に持続可能なように統合され、かつ安定したアジアという新たなビジョンを提示していくが、利潤追求を第一とした組織ではない。

国境を越えてアイデアを考案し、適用するチームとして活動するために個人が参集し、効率的な協力を図る。活動するそれら個人は、共通のテーマを究明し、地域全体の利害当事者を結集させるべく、新たな場を設けることに尽力する。

今日、論じられている問題点を究明すべく、アジア全地域の協力を図るために、これまで光が当ててこられなかった均衡点を見出す。各界各層の利害当事者が参加する様々なシンクタンクが、アジア地域を 取り上げてきたが、バランスのとれた観点で真の国際化の青写真を示すことはできずにいた。今日、アジア及び世界各国の国々は前例のない経済技術統合に向け、真の国際機関を必要としている。

若者にも活躍の機会を提供する。若者に政策立案者や専門家に対して直接、意思を伝達できる機会を与えることによって、有意義な論議を成立させることができる。青年及び次世代にバトンを渡すリーダーたちが共に協力し、全アジア地域をつなぐ架け橋を作り上げている段階である。政策論議に青年たちを積極的に関与させる重要性は十分に認識されており、そのようなリーダー、そして専門家の議論は一般市民にとっても有意義なものとなるであろう。

アジアのための新たなビジョン

アジア・インスティチュートは、世界で最も目まぐるしく変化、成長している地 域であるアジアの足かせとなっている長年の問題点を解決するために、従来とは異なったアプローチが必要であると考える。世界において、もはやアジアは 経済、知識面での中心となっている。

しかしながら、軍備増強、誤った方向への経済成長、生態系の破壊に代表される環境負荷、技術の際限なき使用、そして消費至上主義から起こる伝統文化の衰退がアジアの巨大な潜在力を押さえ付けている。アジア・インスティチュートはこれらの障害を克服し、現世代を鼓舞させるべく、より大きなアジアの成長ビジョンを示していく。

  • 競争ではなく協力
  • ナルシズム的な消費ではなく持続可能な共同体成立
  • 恐怖ではなく希望

これらを推進しようとしている。

その他の活動指針

多言語の使用

  • 研究活動において主に用いる言語は、アジアの共通語である英語である。
  • 多様な聴衆のため、英語以外の言語でも研究活動を進めていく。
  • アジア・インスティチュートが目指ざすところはもっと広く市民との参与的対話であり、アジアの多くの言語で重要な情報を提供し、イベントを計画している。

若い世代の関与奨励

  • 若者に政策立案者や専門家に対して直接、意思を伝達できる機会を与えることによって、有意義な論議を成立させることができる。
  • 政策入案においては若年世代からも学ぶ点が多いゆえに、若者が、地域、国家、世界的なレベルで政策論議に参画すべきであると考える。
  • インターン、セミナー、そして執筆者として若者に活動の機会を与える。
  • セミナーでは、若者が研究、政治、経済の各分野に直接関与できるような場を提供する。
  • アジアの未来に関する論議のため、若者が声を上げるべきである。

アジアの女性

  • 女性は膠着した社会に大きな変化をもたらす役割を期待されている。
  • 時に男性以上の能力と情熱で、旺盛なチャレンジ精神を発揮し、地域に密着した新たな未来を提案している。
  • アジアにおける女性の役割を発展させる新たなアプローチを提案する。

エマニュエル・パストリッチ 理事長

エマニュエル・パストリッチ理事長は、当初1998年から日本文学専攻で、近世の読本、漢詩、漢文小説、儒教と国学の思想を研究したアメリカの教授であった。アメリカの政治の不安定を懸念し、アメリカ人に向けて東アジアの重要性を強調する活動を始め、アメリカ政治文化の改革を訴え始めた。

2002年からイリノイ大学の軍縮、国内外安全保障プログラムにも籍を置き、国際関係、環境問題および科学技術発展を研究し始めた。2005年に駐米韓国大使の洪錫炫の補佐になり、韓国大使館の文化センターのKORUS House(韓米ハウス)というシンクタンクの所長を務めながら、日米韓中の協力のためにワシントンで努力した。

2007年から韓国に移り、忠清南道李完九(イ・ワング)知事の補佐官、大田広域市投資誘致委員会の委員、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の国際化顧問、朴槿恵大統領の顧問を務めた。その間に慶熙大学校に准教授をした。

2007年にアジア・インスティチュートを創立し、アメリカ、韓国、日本、タイなどとの知的交流を増進しようとした。2020年2月に米国大統領選に無所属の候補者として立候補を表明し、2023年に米国緑の党に立候補して大統領選に一時にキャンペーンをした。

日本語、英語、韓国語、中国語で数多くの本を出版した。イエール大学で中国文学を専攻し、一年間国立台湾大学に交換留学した。

1992年に東京大学の院総合文化研究科比較文学比較文化専攻修士課程を修了した。論文の題名は「江戸後期の文人・田能村竹田と「無用」の詩画」。その後、ハーバード大学東アジア言語文明学科に編入し、日韓中小説研究の博士論文を起草した。

現在、イェール大学の東アジア研究委員会客員研究員も、専修大学の非常勤講師も兼任している。


著書

日本語

  • 『USAを盗んだ男』(論創社、東京、2025年)
  • 『沈没してゆくアメリカ号を彼岸から見て:ハーバード大学パストリッチ博士の日韓漂流記』(論創社、東京、2025年)
  • 『コロナ祟りに惑う日本』(デザインエッグ出版社、東京、2023年)
  • 『私は悪を恐れない:なぜアメリカには本当の意味の無所属大統領候補が必要なのか』(デザインエッグ出版社、東京、2020年)
  • 『武器よさらは、地球温暖化の危機と憲法九条』(東方出版社、東京、2019年)

英語

  • The Bitter Tonic Known as Truth: Selected Speeches 2024 Campaign for President(真実という苦い薬:2024年大統領キャンペインの演説集)(Book Babyニューヨーク、2023年)
  • Wrestling with Shadows(影とのレスリング。自伝小説)(Book Babyニューヨーク、2022年)
  • How to take down the Billionaires(どうやって億万長者を打ち倒すのか)(アジア・インステイチュート、ソウル、2020年)
  • I Shall Fear No Evil: Why we need a truly independent Candidate for President(私は悪を恐れない:なぜアメリカには本当の意味の無所属大統領候補が必要なのか)(BookBaby, ニューヨーク 2020)。
  • Earth Management: A Dialogue on Ancient Korean Wisdom and Its Lessons for a New Earth(地球経営:古代の韓国が新時代に伝える教訓)(李一指と共著)(Best Life Media ソウル)
  • The Novels of Park Jiwon: Translations of Overlooked Worlds(朴趾源の小説:看過された世の中の変身)(ソウル大学出版社、ソウル)
  • The Visible Mundane: Vernacular Chinese and the Emergence of a Literary Discourse on Popular Narrative in Edo Japan(目に見える世俗:中国白話小説の伝播と江戸時代の「通俗」に対する討論の成立)(ソウル大学出版社、ソウル、2011年)12

韓国語

  • 「詐欺的統一をやめよ:財閥主導の北朝鮮開発ではなく、希望がもてる建国へ」(ナルト出版社、ソウル、2023年)56
  • 「コロナ詐欺を革命で終わらせよう」(ナルト出版社、ソウル、2022年)78
  • 「地球経営 弘益に9その答えを求める」(李承憲共著)(10韓文化、ソウル、2016年)
  • 「韓国人だけが知らなかったもっと大きい大韓民国」(ソウル、レッドウッドブックス、2017年)
  • 「韓国人だけが知らない別の大韓民国:ハーバード大学の博士が見た韓国の可能性」(21世紀ブックス、ソウル、2013年)
  • 「世界の碩学が韓国の未来を語る」(茶山ブックス、ソウル、2013年)
  • 「人生は速度ではなく方向だ:ハーバード大学博士の韓国漂流記」(ノマドウブックス、ソウル、2011年)

中国語

  • 「如何推翻富有阶层」(どうやって億万長者を打ち倒すのか)(アジア・インスティチュート、北京、2022年)
  • 「我不畏惧邪:美国的大何一定要有真正的独立参人参与」(私は悪を恐れない:なぜアメリカには本当の意味の無所属大統領候補が必要なのか)(アジア・インスティチュート、北京、2020年)
  • 「未来中国:关于人与地球命运」(未来中国:人類と地球の運命に対して)(現代文化出版社、香港、2019年)
  • 「跨海求真:哈佛博士 中美未来」(海を越えて真実を求める:ハーバード大学博士が論じる米中の未来)(銀河出版社、香港、2016年)